8月分野別研究会

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8月度 産学交流・分野別研究会

★研究会報告★

まだまだ残暑厳しい8月23日(金)、14時30分からの開会予定でしたが、暑さのせいか?
お仕事のご都合か?時間厳守!励行のはりま産学交流会には珍しく集まりが悪く、10分遅れの開会となってしまいました。
はじめに副会長から日頃のご協力のお礼と今後の会の活動運営方針を力強くご挨拶いただき、そのあと各分科会へと移動しました。姫路商工会議所6階フロアーのほとんど全ての部屋を貸切った分科会では、第Ⅰ、第Ⅱ分科会とも満席状態で、先生の発表に熱心に聞き入る様子に参加者の研究意欲を感じました。第Ⅲ分科会(よろず相談)は参加者が少数ではありまし
たが、マンツーマンで時間一杯話し合いができ、意義のあるものとなりました。
又一部のセッションでは、かなり高度な研究発表に聞く側にとって難解な場面もあったようです。やはり聴く側に興味を持たせる為には、面白くやさしくプレゼンすることが重要だと今後の産学の問題点を感じました。各分科会とも先生の持ち時間が短く感じるほど熱が入り、やや時間が超過気味でありましたが、司会者の裁量で滞りなく分科会を終えることができま
した。
その後は、はりま産学交流会が最も重要視している人脈作りと情報交換の場である懇親会には、ほとんどの方がご出席下さり、互いに垣根を超えた和やかな雰囲気の中で、名刺交換をしながら親睦を深めることができました。分科会の様子は各司会者がまとめたものでご報告とします。

●第Ⅰ分科会・・・司会進行―大西副会長
(1)MEMS技術
大学院工学研究科電気系工学専攻 助教授 前中 一介先生 
MEMSとはMicro Electro Mechanical Systemsの略であり、日本ではマイクロマシニング技術と呼びます。 
MEMSデバイスには、加速度センサー、DMD、光スイッチなどがありこの市場は急激に拡大しており、年率20%以上の伸びがあり、世界的に極めて大きな潜在市場を持っている。   
前中先生はMEMS分科会の会長をされていて、会員参加の呼びかけがありました。

(2)適応信号処理
大学院工学研究科電気系工学専攻  教授 藤井 健作先生 
信号と雑音を分離する技術であり、適応フィルターとアルゴリズムを開発する研究である。先生は企業で本研究をされていて日本の第一人者であります。
とにかく面白いプレゼンであった!先生の話で「笑いが出たのは初めて」でしょう。
とにかく解り易く説明しようと言う姿勢と工夫が随所に見られました。
説明だけでなく、実際にデモをされたのも解り易く、他の先生の発表もかくあってほしいと思いました。さすがに民間企業でご苦労された経験が出ていました。

(3)次期LSIシリコンウエハー用非接触電気測定技術
大学院工学研究科電気系工学専攻  教授 岸野 正剛先生 
従来のシリコン技術に代り、SOIウエハーが今後の主流になると言われています。
SOIとは絶縁物の上に形成するもので、Si-On-Insulatorの略です。
今後必要で重要な技術らしいことは解りましたが、説明が難しく質問をするまでには至りませんでした。

●第Ⅱ分科会・・・・司会進行―澤田企画委員
(1)「ウッドセラミックスの電磁波吸収体への応用」
          大学院工学研究課 物質系工学専攻 三木雅道教授

まず「ウッドセラミックとは一体どのようなものか」から始まり、研究内容、またその応用についてお話しいただきました。私たちをとりまく社会環境がますます高度化、情報化するにつれて日ごとに増えていく廃紙や廃木材を焼却してしまうのではなく、もう一度、社会に役に立つ新素材に生まれ変わらせる事を研究テーマとされ、我々の身近な問題でした。研究会では木炭の製法と効用、木材の構造と炭化、ウッドセラックスの製法と特そして電磁波吸収体への応用、環境調和型材料ウッドセラミックスの開発などについてお話いただきました。

   
(2)「溶融塩の材料構造への応用」
大学院工学研究課 物質系工学専攻 香山滉一郎教授
「溶融塩の材料製造への応用」というテーマで、まず始めに、溶融塩とは一体どのようなものかを、塩、溶融塩の種類、特色という切り口でお話しされました。
次に、溶融塩の工業的利用として、熱媒体としての利用、反応媒体としての利用があること、特に製鋼精錬におけるスラグについて、良いスラグが出来ないと良い鉄が出来ないというようなこと。そして最後には、新しい溶融塩を使って、金属の分析や電池の電解質に使用するという研究内容をおききしました。これらは、新たな金属材料とりわけ新素材の開発とその応用に関する研究であるという事が良く分かりました。

(3)「摩擦と磨耗」
大学院工学研究課 機械系工学専攻 坂本 亨教授
摩擦・磨耗は日常生活の中でごく身近に存在するものですが、あまり測定されていません。
しかし、摩擦・磨耗は半導体のように理屈どおり動く代物ではなく、いつまで経っても底の見えない泥沼のような感じですが、結構多くの人たちが、測ったり考えたりしている重要な分野だそうです。まず基本として、摩擦形態の種類についての説明いただきました。
そして、今回は無電解ニッケルりんめっき膜、レーザークラッド固体潤滑膜、窒化チタン膜などの摩擦・磨耗・潤滑特性の紹介をいただきました。さらには、イオンミキシング蒸着法の原理と特徴という最近の研究テーマの説明も頂きました。
先生は楽しく丁寧に解説され、分かりやすい内容でした。質問も多数飛びだし、あっという間に終了時間になりました。
十分にお話しできなかった部分については懇親会にて交流を深めながら・・・ということにせていただいて、無事第2分科会を閉会しました

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