1月研究発表会

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新春1月例会 基調講演&研究発表会

兵庫県立大学/自然環境科学研究所、工学研究科、経営学部

日時 平成18年1月27日(金)13:30~18:30
場所 姫路商工会議所6階
参加者数 96名

★基調講演 13:50~15:00 (605ホール)
  演題:「コウノトリの野生復帰で何を復活させたいのか」

  講師:池田 啓先生(自然・環境科学研究所田園生態系 教授)

  概要:コウノトリを野生復帰させる事業は、かつての自然環境を再生することに主眼を置いている。しかしながら、事業は単なる過去へ回帰ではなく創造的な自然再生として、また持続的な地域づくりこそが目指すべきものとして取り組まれている。

★研究発表会
 第Ⅰ会場(自然・環境、工学部)・・・602号室 

①15:00~15:55 田原直樹先生(自然・環境科学研究所 自然環境系 教授)
 テーマ『近世における緑地のあり方とその変容‐阪神地域を事例に』
 概要:江戸時代中期につくられた名所図会を手がかりに、近世の都市及び近郊地域における緑地のあり方をある程度知ることが可能になる。こうした作業にもとづき、明治以降の都市化、近代化の中で緑地がどのように変容したかについて述べる。

   
②16:00~16:55 石垣博行先生(工学研究科機械系工学専攻 教授)
 テーマ 『コウノトリ・ロボットの開発』
 概要:本研究の最終目標はコウノトリ(絶滅危惧鳥)の人工孵化・人工飼育を経て野生復帰させるための工学的支援法を確立することである。野生馴化プロセスを円滑に進めるために、親子のコウノトリ・ロボットを開発して、親ロボットと雛鳥、親鳥と雛ロボットがお互いに自立的に野生化にいたる訓練を行わせる。

第Ⅱ会場(経済・経営)・・・・603号室
①15:00~15:55 當間克雄先生(経営学部組織経営学科 教授)
 テーマ『これからの中小企業の研究開発の進め方~大企業とひと味違ったものづくりへ~』
 概要:企業間競争が激化する今日、製造企業にとって、持続的競争優位の源泉となるのは技術力であろう。この講演では、製造企業が技術力を蓄積し、競争力を強化するために、検討すべき戦略的要因を具体的な事例を用いて紹介したい。そこでのキーワードは、技術力を強化するための「効果的な武器づくり」と「ビジネスモデル」である。

     
②16:00~16:55 安田義郎先生(経営学部事業創造学科 助教授)
  テーマ『新会社法で変わる日本の財務政策-グローバルM&A時代に備えて-』
  概要:ビジネスは、企業規模の大小に拘わらず、グローバル化している。2007年の新会社法で日本はグローバルM&A時代に突入する。もはや従来型のビジネス慣行は通用しない。平成の黒船襲来に備え、日本企業の財務政策の転換が注目される。

★相談コーナー 15:00~17:00 (601号室)

★交流会    17:00~18:30 (605ホール)
         
≪基調講演の感想≫
 今回豊岡の自然・環境科学研究所田園生態系(県立コウノトリの郷公園)より池田先生にお越し頂き講演をして頂きました。先生は狸の研究でも有名でアニメ映画「平成狸合戦ぽんぽこ」で狸の生態に関する助言もされたそうです。そのことをお聞きしいっぺんに身近な人に感じました。
 さて、今回のテーマである「コウノトリの野生復帰で何を復活させたいか」。結局コウノトリは一つのシンボルであり、コウノトリが生きていける環境とは土壌汚染のないところでの餌の繁殖であり、自然環境の改善を考える時、それすなわち人間にとってもいい生活環境となり得る。しかし人は現在の生活レベルを下げてまでの環境改善を期待するのかと言えば
そうとも限らない。誰しも昭和30年代への帰還を望んでいるわけではない。なら、どうすればいいのか。現在のハイテクを用いることにより昭和30年代とあたかも同じ環境への復帰も可能ではないかという一つ方向性を示されました。
 それと兵庫県立大学は実に多くの専門分野を持ち、兵庫県全域にわたり研究施設を有する他県に例を見ない大学であること、今回定例会で再発見しました。
工学、環境、看護、経済、経営、光科学、自然環境、田園生態、景観園芸、宇宙天文を有しており大変多くの専門が有ることがそれであります。(文責:北村)

≪研究発表会(自然・環境・工学部)報告≫
 基調講演の前に柴田会長からもお話があったように、どの研究発表も、『ものづくり』という面から見ると、直接結びつかないようなことばかりの内容でした。しかし、即ビジネスではない分、第Ⅰ会場では、リラックスした雰囲気の中、先生方の発表に入っていけたと思います。また、直接結びつかなくても、今回のような研究発表の中から生まれるヒントもあるのではないでしょうか。

田原先生は、研究内容の中でも、ご自分で趣味に近い部分ということを最初に言われて始めていただき江戸時代の浮世絵、風景画などから当時の阪神地域の様子がある程度読み取れることなどのお話がよくわかりました。時間の関係でちょっと急いで話された部分など、もう少し詳しくお聞きしたかったというのが本音です。

石垣先生は、コウノトリロボットの実物を持ってきていただいての発表で、本物のこうのとりを相手にするロボットの難しさがよく分かりました。基調講演がコウノトリの話であったため、興味をもって聞かれていた方も多かったように思います。
先生方も、時間を気にしていただいていたようで、質問時間も取れて時間どおりに終わることができました。(文責:木南)

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