5月分野別研究会

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5月分野別研究会報告

~ことしは 特許にチャレンジしよう!~

(A)テーマ『放射光励起反応によるエレクトロニクス材料のナノ・マイクロ加工』姫路工業大学 高度産業技術研究所 光応用・先端技術大部門 内海裕一 助教授
ナノとは10億分の1を意味する単位で、ナノメートルと言えば1ミリメートルの100万分の1の長さを言う。 波長がこのレベルの放射光は物質との相互作用が強く、物質の加工や合成、表面の制御などが可能である。
放射光と言っても、Spring-8が物質の分析などに適しているのに対して、ニュースバルは軟X線で物質の加工等に適している。日本で3番目に大きいニュースバルの方射光を用いて、現在色々ななマイクロ加工が試みられている。
その一つがリソグラフィーと言う技術で、マスクを通して放射光を当パターニングにより型を作成する。適度に不純物が添加されたSF6ガス存在下でエッチングを行い、不要部分を削り取る。
この際、放射光の特徴として一方向に加工出来る異方性エッチングと末広がりの形状となる常方性エッチングが可能である。またガスの状態によって状況も変える事が出来る。これに型材を鋳込んで微細な金型を作成し、各種の製品を作る事が出来る。

(B)テーマ『1.5GeVクラスの放射光施設 ニュースバルで可能な分析法と産業利用』

姫路工業大学 高度産業技術研究所 光応用・先端技術大部門 春山雄一 助手
放射光は、その波長に連続性があると言うことが一つの特徴と言える。この特徴を生かして、回折格子などを用いて放射光を分光し、各種材料の評価などに使用する事ができる。ここでは、ニュースバルの材料分析用ビームラインを用いた「光電子分光分析法」の研究例が紹介された。
物質にX線などを照射すると、光電効果によって光電子や各種の光などが放射されるが、「光電子分光法」は、飛び出した光電子が被測定物質固有の性質を持つため、その運動エネルギーや放出角度等を測定する事によって、その物質の元素分布や電子状態等を調べる事が出来る。
講演では、この分光法によるフッ素樹脂やシリコン酸化膜などの分析研究事例の紹介がなされた。

(C)テーマ 『ナノテクノロジーと産業利用』 
姫路工業大学 高度産業技術研究所 光応用・先端技術大部門 松井真二 教授
ナノとは10億分の1を意味する単位で、ナノテクノロジーとは100万分の1ミリメートルレベルのサイズで原子や分子を操作・制御したり、あるいは物質の構造や配列を制御する事で、ナノサイズ特有の物質特性などを利用して新しい機能や特性を活用する技術である。
この技術には、「情報メモリーなどの微細化」「原子・分子を積上げでデバイスなどを組上げる自己組織化」「バイオやナノマシンとの融合」と言う3つの分野で研究が進められている。
情報技術、環境、ライフサイエンス、材料等の製造プロセス技術の中心となる技術で、国としても21世紀の重要分野と定めている。現在デバイスなどの分野では日本が世界的に優位に立っているが、その他の分野では米国が進んでいる。
この発展方法としては、現在シーズのあるものからのトップダウン方式が早いものもあるが、将来の量子通信分野で期待される次世代の新しいナノデバイスでは、トップダウン方式とボトムアップ方式を組み合せた技術が必要となるであろう。
第1分科会では、上記のような3つのテーマにより先生方の活気溢れるプレゼンテーションが行われ、多数の質問も提起され、熱気溢れた研究会となった。      
(報告者  岩崎)

<第2分科会の内容>
 司会 企画委員 渕脇英義

(D)テーマ 『基礎研究と応用の狭間で-光が演ずる刹那の世界-』
姫路工業大学 大学院理学研究科 物質科学専攻  高木芳弘教授

(E)テーマ 『放射光X線構造解析で何が見えるか?』
姫路工業大学 大学院理学研究科 物質科学専攻  鳥海幸四郎教授 

(F)テーマ 『固体触媒反応と不斉合成』 
姫路工業大学 大学院理学研究科 物質科学専攻  杉村高志助教授

第2分科会は3テーマとも理学部の先生の発表で、前回の工学部の先生の発表の時とは会員及び一般参加者の方の顔ぶれが若干違うように見受けました。狭い研修室に20名ほどの方に出席していただき先生の発表に熱心に聞き入る様は何か1つでも仕事に結び付けられる糸口を見つけたいとの、強い意欲を感じました。
先生側からの希望は、発表時間をもう少し長くしてほしい(30分を50分程度まで)理由は本論に入る前に基本的な説明が必要とのことでした。
また、参加者側からの希望としては、発表されたものが将来的にどのような形で実用化される可能性を知りたいとの事でした
報告者 淵脇)

<第3分科会の内容>
     よろず技術相談 
司会進行―中村副会長
コーディネーター・大島敏男先生・近藤正義先生
産学官連携推進員・脇坂彰一先生

 第3分科会は、第1、第2分科会に参加せずこの機会に先生方に自社の問題点などを色々と相談できる場でありますがPR不足なのか参加者が非常に少なく先生方の頭を休めていただく場になっていました。非常にもったいないことであり、参加していただきますと先生を独占できますので会員の皆様方、今後ふるって参加頂けるようお願いいたします。
                                  (報告者 中村)

<その後の行事>

★研究開発支援棟の施設見学
 ひょうご科学技術協会のご好意により研究支援棟の中を特別に見学させていただきました。

★懇親会・・・2階 交流サロン  司会進行―山口企画委員長    
                                  以上

 

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